<足利事件再審>菅家さんテープ 否認後再び「自白」、号泣(毎日新聞)

 栃木県足利市で90年、4歳の女児が殺害された「足利事件」で無期懲役の判決を受け、昨年6月に釈放された菅家利和さん(63)の再審第5回公判が22日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で開かれ、菅家さんが足利事件を否認した翌日、検事の取り調べに再び自白する様子を録音したテープが再生された。

 1審公判中の92年12月8日の録音で、約5分間の雑談の後、当時は宇都宮地検検事だった森川大司(だいじ)氏は「君から変なことを聞いたんで来た」と切り出した。「DNA鑑定で君と一致する精液があるんだよ」「唾液(だえき)も付いてるんだよね。いろんな意味で一致している。君が認めたっていうことだけじゃなくて、他に証拠があるから起訴したんだよ」。科学鑑定を持ち出し、これまでの取り調べとは違って、やや強い口調で菅家さんに畳み掛けた。

 菅家さんが「全然覚えがない」と反論すると、森川氏は逮捕直後の現場検証を振り返り、「死体に草をかぶせたという君の説明は、実際と同じ状態なんだよ。誰にも教えてもらわなくて、なんで説明できたんだろう」と詰め寄った。菅家さんの答えを最後まで聞かず、性急に質問を浴びせる場面もあった。取り調べ開始から約25分後、菅家さんは絞り出すように「勘弁してくださいよお」と再び自白して号泣。法廷でテープを聞いていた菅家さんが思わず机をけった。森川氏は「うそ言うと、どこか嫌でしょう」と諭すように話し掛け、「真実ちゃんの事件(足利事件)は、うん、それでいいわ」と質問を終えた。

 テープは21日に、初公判が始まる直前の92年1月28日分と2月7日分、菅家さんが検事に初めて否認した12月7日分の計3本が再生された。22日午後は森川氏の証人尋問がある。【吉村周平、安高晋】

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